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究極のワインへの入口 第4回
「アンリ・ジャイエとエマニュエル・ルジェ」
ヴォーヌ・ロマネのひとつの形

開催日時: 2017年2月5日(日曜日) 15:00~18:00
会  費: ¥300,000(税込)
定  員: 7名様

 ※本ワイン会は定員に達しましたのでお申し込みを締め切らさせていただきました。

モーゼとアロン テロワールとその代弁者

シェーンベルグの最高傑作と言われているオペラ、モーゼとアロン。
全編不協和音のみで書かれたその曲は難解極まりない。ただし現代音楽に宿る哲学的な考えを受け入れ、
それを自身で解釈しようとするのであれば、そこから何かのメッセージを受け取る事ができるだろう。
古代イスラエルの預言者モーゼは言葉を持たない、神から命を受けたアロンが代弁者となる。
細かな筋書きはここでは割愛するが、モーゼとアロンのストーリーは20世紀に歩んだブルゴーニュワインの
歴史に良く似ている。モーゼ絶望の後、1980年代初め救世主が現れる。それこそがアンリ・ジャイエでは
ないだろうか。ブルゴーニュワインとは何か。実際に味わう事の出来ないテロワールが紡ぎ出す個性を
葡萄と言う代弁者が語る。紀元前の昔からこの土地にはピノノワールとシャルドネだけが植えられていた。
神が任命した代弁者である。ピノノワールは地球上のほんの僅な帯状の、粘土石灰質の土壌からなる土地、
コートドールに植えられて初めてその真価を発揮出来る。今では当たり前になったアンリ・ジャイエの
ワイン造りも、彼が始めた第二次世界大戦後は、相当に前衛的なものだった。彼の全ては周りの生産者達に
矜持を与え、若手生産者はそれをしっかりと受け継いだ。
アンリ・ジャイエは後のワインのあり方を鮮烈に残し2006年9月20日帰らぬ人となった。

テイスティングワイン

  1. 1976 Henri Jayer Echezeaux(当店販売価格 ¥930,000)
    今回前座はない。1973年に全量元詰めを初めて間もない頃。見せかけの暑さはこの年を難しいものにした。
    代弁者は個性を上手く伝える事が出来ただろうか。
  2. 2008 Meo-Camuzet Vosne Romanee Cros Parantoux(参考商品)
    最も近い生産者をあげると、一人はジャン・ニコラだろう。晩年のジャイエが伝えた全ての再現に
    心血をそそぐ。ここの祖先とジャイエは領主と小作人の関係だった事もあり親密度は極めて深い。
    彼は時代と共に確実に進化している。
  3. 2003 Emmanuel Rouget Vosne Romanee Cros Parantoux(当店販売価格 ¥199,000)
    ジャイエの引退後、畑の全てを受け継ぎ最も薫陶を受けた男。若いうちは難解な彼のワインだが、
    この畑だけはいつ飲んでも素晴らしい。テロワールの個性によるところが大きいのだろう。
    神が残した畑の今の姿しっかりとご覧頂きたい。
  4. 1989 Emmanuel Rouget Vosne Romanee Cros Parantoux(当店販売価格 ¥350,000)
    現在クロパラントゥーを造るのは二人だけである。この年の特徴をうまく掴み、労を惜しまなかった生産者は
    1989年を偉大なヴィンテージに仕上げた。
  5. 1988 Henri Jayer Echezeaux(当店販売価格 ¥1,150,000)
    ジャイエ60代、まさに絶頂期の作品である。この頃から蔵に選果台が置かれた。益々純粋にそして豊かに、
    神の領域へと迫る事が出来ただろうか。彼はこの年のワインは極めて長熟タイプであり、出来る事なら
    自身のセラーに取り置きそれを孫の代に飲ませて、ブルゴーニュの真の偉大さを伝えるべきだと言っていた。

 

ああああああああああああああああああああああああああああああああああChairman  Sir Raymond Fleming
ああああああああああああああああああああああああああああああああああああああTHE WINE GALLERY